姜尚中 (著)「悩む力」 (集英社新書 2008/5)
近代人が、自由を手に入れたが故に直面せざるを得なくなった「自我」の問題をどう扱えば良いのか、それが本書のテーマとなっています。
この近代人に突きつけられた課題に果敢に挑戦した先人として、漱石とマックスウェーバーの人と著作が紹介されています。
この二人は、神経衰弱になるまで「自分の知性だけを信じて、自分自身と徹底抗戦しながら、自我と何を信じるかという近代以降の難問に、独力で立ち向かいつづけた」のです。
著者によれば、「人生とは、自分がどうすべきなのか選択せざるをえない瞬間の集積であり、それを乗り越えていくためには、何かを信じて答えを見つけなければ」ならないものだということ。
つまり、私が私として生きていく意味を確信できるまで、「まじめに悩み抜くしかない」というのが、著者の結論です。
そうして初めて、開き直りや良い意味での横着といった心境が生まれるということです。

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