沖 ななも(著),土田 ヒロミ(写真)「神の木民の木―巨樹巡行」 (日本放送出版協会 2008/03)
本書は、「NHK歌壇」「NHK短歌」に「樹木を詠う」として掲載されたものを加筆、再構成して編まれたものです。
全国の巨樹を訪ね歩いて、詩情豊かに紹介しています。沖ななも氏の歌と土田ヒロミ氏の写真が、巨樹の魅力を引き立ててくれます。
三春の滝桜のように全国的に有名となった樹木もありますが、多くは初めて目にする巨樹です。
身近なところでは、「苦竹の大公孫樹」(仙台市)、「称名寺の椎の木」(亘理町)、「羽黒山の爺杉」、「山上の大桑」(米沢市)などが紹介されています。
沖氏は「木の魅力とは何だろう。・・・人智の及ぶべくもない悠久がここに在る。畏敬というほかはない」(はじめにより)と述べていますが、人の何倍もの時間を生き抜いてきた堂々とした存在感こそが、巨樹の魅力なのかもしれません。
また、「杉は、千年もの間、一言も発せず、黙し揺らぐことはない」(p42)というように、静かに立ち続ける姿も日本人の共感を呼ぶのかもしれません。
巨樹を巡る紀行文として、実用的なガイドブックとして、そして写真集としても楽しめる本です。
